揺れては陰り、ふよふよと波のように射し込んでくる黄色いひかり。
ブラインドは案外役に立たないな、と思いながら煙草を吹かした。

死にたいと口のなかで何度も繰り返すけれど、死にたいというよりは消えたいんだということにはとっくには気づいている。
生きるのも死ぬのも面倒臭くて、ひねもす何かぶよぶよしたものを吐き出しそうになりながら呼吸をしている。 そろそろ自嘲の仕方さえ忘れそうだから、誰かおれを消してくれよ。できれば痛みを伴わない方法で。 からだの片面だけを覆ったフローリングは徐々に温くなっていく。 あああ、お願いだからおれの表面を骨を内蔵を溶かしてどろどろの何かに変えて! 願いを込めて空をつかんだ手のひらは汗ばんでいて気持ち悪い。虚しい、そのままクールダウン。

ちらちらと顔にかかる黄色い波が鬱陶しい。 とりあえず、役立たずのブラインドを取り外して、遮光カーテンを買いにいこう。



いつになるかはまだ、わからないけど。

(はるのうみひねもすのたりのたりかな)